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人間知性研究―付・人間本性論摘要価格: 5,040円 レビュー評価:5.0 レビュー数:2 ヒュームの哲学のエッセンスがコンパクトにまとまっている本。
ヒュームの哲学は、理性への強い懐疑と、経験への立脚が特徴的である。
因果律の分析は特に有名である。
ある玉Åが別の玉Bにぶつかり、Bがはじかれて動いたとしよう。このとき、Aを原因、Bを結果と見るものは何だろうか。
自然の中に原因や結果が隠れているわけではない。いくら頭で考えても、どこかから因果律が降ってくるわけではない。
原因や結果は、我々が経験的に学び取った、世界を見るための手段なのである。
自由と必然に |
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哲学の余白〈上〉 (叢書・ウニベルシタス)価格: 3,990円 レビュー評価:4.0 レビュー数:1 「竪穴とピラミッド」というヘーゲル論が興味深い。
デリダは小賢しいという先入観があったが、本書のデリダは「論理学/自然哲学/精神哲学」といったヘーゲル哲学体系をちゃんと検討しているのだ。
ヘーゲル体系に潜むフラクタルな法則性をデリダは捉え損ねているために、多少わかりにくい記述になっているが、デリダの個人的勉強ノートとして彼の誠実な側面を反映している。
巷にあふれる重箱の隅をつつくようなヘーゲル研究とは対極にある点がデリダの印象を覆すであろう。
ヘーゲルが捉え損ねた「概念把握することができないような余白」(p10)を記述しようと格闘するデ |
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石垣普請 (ものと人間の文化史 58)価格: 3,570円 レビュー評価:4.0 レビュー数:1 田淵実夫さんの『石垣』に続いて読んだ本。
こちらの方がより専門的で、石垣の構造のみならず、普請の進め方、技術の発展の歴史などが詳しく書かれている。
また本書の特色でもある石垣普請と陰陽五行との関係について持論を展開されているのは慧眼である一方、理解するのが少し難しい。
ただ石垣角の算木積みに関して詳しく時系列的に説明されている箇所は、石垣の歴史を捉える上でとても参考になる。
少し難解ではあるものの、城に興味がある方にとって必読の良書である。 |
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